2023-11

少子化・高齢化

私はチャーリーゴードンではないが彼の気持ちはわかる。

チャーリーゴードンとはダニエル・キイスの小説「アルジャノーンに花束を」の主人公である。脳外科手術で精神薄弱者から天才になり一転して手術の副作用で再び精神薄弱者にもどっていってしまう物語です。山下智久主演でテレビドラマ化されました。まごころを君にというタイトルで映画としても公開されました。主演のクリフ・ローバトソンがアカデミー主演男優賞を受賞しています。ドラマも映画もそれなりよかったのですがこの作品は文字による文章表現が一番合っていると思いました。なぜならば経過報告書の形で小説が構成されているからです。報告書がひらがなだけの稚拙な文章から天才なっていくにつれて高度な難しい漢字交じりの文章と変化していくからです。そして副作用で元の精神薄弱者の稚拙な文章になっていってしまうのです。これは英語よりも翻訳である日本語表現が本当にあっていると思います。ひらがなだけの文章は稚拙であることを視覚的にも表現できるからです。それと小尾芙佐氏の名訳にもよるのですが。さて私はもちろん天才ではありませんが、結局チャーリーゴードンのようになっていくのではないかということです。タイトルは同じ実験の副作用で死んでしまう二十日鼠の名前である。そしてチャーリーの何もわからなくなるまえの最後のことばです。わたしもなにもわからなくなってもタイトルのような気持ちをもっていたいと思っています。               「アルジャノーンに花束を」 ダニエル・キイス著 小尾芙佐訳  早川書房刊
政治制度の問題

賃金の引上げについて

岸田首相は給与の引き上げを財界等に要請しているが、これは大変難しいことと思います。日本の労働者は労働法によって権利を強固に守られていますが、それは正社員に対してだけです。企業は危機の時対応できるように利益のうち法定準備金を積み立てています。これを超えると利益剰余金として積み立てています。これができるのは大企業などです。それに賃金として配分しないかもしれません。中小企業等は賃上げ以上のコスパが上がらない場合は正社員であっても解雇しなければなりません。そうしなければ倒産してしまうからです。最低賃金を上げると失業者が増加するのは経済学では当然とされています。